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□HazeBlue□









きっかけは休み時間、ふと耳にした女子の会話。




「友達だったら親に相談できないことでも相談できるよね。友達だから何でも

話して欲しいじゃん。力になってあげたいし。こっちも力になって欲しいし。

やっぱ、何でも話せるのが親友の条件だよね。」


「えー、でも、ともだちでも話せないことだってあるでしょ?」


「それって、その子と本当に友達なの??」




何気なく耳にしたその会話にドキッとした。

なんでも話せるのが友達の証・・・かぁ〜。



チラリと俺の隣の席にいる不二を見た。



そういや、不二から悩みとか聞いたことないなぁ・・・。

てか、天才に悩みはあるのかな?




・・・・・・俺と不二って友達だよね・・・・?





そんなこと今まで、考えたこともない。

けれど、女の子達の会話を聞いていたら急に不安になってきた。

こんなこと思うこと自体、不二に対して失礼なことだと思うけど。









「なんかスッキリしないんだにゃ〜」




今は部活中。

手塚の目を盗んで少し休憩。

目の前ではタカさんと桃の打ち合いが続いている。

2人のテニススタイルはパワーテニスなので、見ている方も知らず知らず身体に

力が入って疲労感を感じる。

けれど、駆け引きなしの力勝負。

いつもなら見ているだけでも爽快感があって、自分もラケットを振り回したい衝動に

かられるのに。





「なんかこう、すっきりしないんだなー」


「何?また甘いものでも食べ過ぎたとか?」




俺と同じくフェンスに寄りかかって、さぼってる不二が俺の独り言にからんできた。




「スッキリしない=食べ過ぎみたいな言い方どーよ?それ。てか、俺のこと何だと思ってんの〜」


「じゃ、便秘?」




流れる汗をタオルで拭いていた俺は、なんて事を言うのかと持っていたタオルを振り回し反論。




「あのねー、女の子じゃないんだからそんなことはないって!!」


「・・・いや、男でも調子がわるけりゃ便秘になることあるんじゃない?」





俺の振り回したタオルをヒョイヒョイよけて、涼しい顔の親友に大人げないと思いつつも吠える俺





「そこ、うるさい!私語は慎め。次さぼっているのを見つけたらグランド20周だ!」




規律にうるさい手塚にピシャリと怒られた。




「英二のせいで怒られちゃった。」




不二は、持っていたタオルを寄りかかっていたフェンスにかけて、俺に背を向け

あいているコートに入った。




「・・・不二のせいなのに・・・」




置いてきぼりの俺は不二の背中に向かって、不二に聞こえない程度の音量で呟いた。




「なんか言った?ほらエージ!・・・大石が呼んでる。」




言われて振り返ると大石がラケット振りながら叫んでいる。




「おい、エージ。新しいダブルスのフォーメーションのことだけど・・・」


「うん、なになに?またなんか新しいことすんの?」




俺の意識は不二から大石へと切り替わる。

大石の方に走り寄る時、俺の背中の方で不二がタカさんに、「今度は僕と打ち合いしようよ」と

声をかけているのが聞こえた。






「でだ・・・・・、さっきも言ったように・・・・。っておい!エージ、聞いてんのか??」




大石が呆れたように俺を見た。

けど、そんなこともお構いなしに俺は大石が説明する新しいフォーメーションの話に飽きて、

隣のコートで打ち合いをしているタカさんと不二に見入ってた。

大石の説明は、分かりやすいんだけど、なんてゆーか・・・・長いんだもん。

いいなぁ〜俺もラケット振り回したい。

ジーッとタカさんと不二の間をいったりきたりするボールを見ていたら、不二はそんな俺に

気が付いてラリーの途中だというのに俺に微笑んだ。




けっ、不二ったらよっゆーっっ




「すきありっっバーニーンッグっっ!!」




そこをタカさんが見逃すはずもなく。

剛速球が不二のコートに叩きつけられた。

ちょっといい気味だ、なんて思って、俺は不二に茶々を入れる。




「あーあ、タカさんに決められちゃった。真面目にやれよ〜不二〜!バーニング状態の

タカさんに対して失礼じゃん。」


「不二ー!ちゃらちゃら笑ってないで、真面目に俺と勝負だぁぁぁあ!!」


「はいはい、じゃ、次行くよ・・・」




不二がサーブのトスを上げた。

やっぱ、不二のサーブのフォーム、綺麗だよな〜。

てか、隙がないって感じ?

・・・・プレイスタイルと本人があまりにもはまりすぎててヤな感じ〜。




「おいコラ!」




さすがに痺れをきらせた大石が俺の耳をギューギューひっぱってお説教開始




「いい加減に真面目に聞く!英二。」


「んーーー、大石ぃ〜俺、説明されても俺ピンとこないよ。実際動かないとわかんない。つーか・・・」


「なに?エージ」


「大石の説明おもしろくない。つーかつまらない!」


「そりゃないよ・・・」


「あーあ、俺も打ち合いしたいよ。なんかこー体動かしたいんだけど。ねー俺たちも打ち合いしようよぉ」


「だーめーだ!」




ガツンと俺のお願いを拒否して、大石は途中だった新しいフォーメーションの説明に戻る。

ちぇっ・・・大石の石頭野郎。

俺は盛大にため息をついてやった。




胸ん中にモヤモヤしているものを蹴散らすためにも、

そのモヤモヤに、今まで揺るぎなかった自信が崩されそうな不安を吹き飛ばすためにも

何も考えないように体を動かしたかった。


もう一度、大石にばれないようにチラリと不二を見た。





天才に悩みはないの?

一瞬そんなことも考えて、不二が俺に自分の悩みを打ち明けてくれたことのないことを

理由づけて誤魔化してしまいたかったけど




「そんなわけないよなぁ〜」




そんなはずはない。

何か抱えて居るんだろうな〜ということは分かる。

時々どんよ〜りしてるし。

本人自覚無いみたいだけど。

俺は不二のこと何でも相談できる親友だと思っている。

部活で行き詰まったとき、ダブルスのパートナーである大石にも相談するけど、パートナーだから

こそ出来ない相談もある。

そんなときは真っ先に俺は不二を頼ってしまう。

宿題だって不二に頼っちゃうしなぁ〜。

それを考えると、俺って不二いないと駄目じゃん。

不二にベタベタじゃん!




たとえば、俺に好きな子が出来たら真っ先に不二に相談するだろう。

振られたら慰めてもらうのもきっと不二だ。



そういや、不二からそういう相談もしてもらったことないなぁ〜。

俺、不二の好きな女の子のタイプも知らないや。

てか、不二って好きな子いるの?



一度走り出した思考は止まらない。

俺の中で不二への好奇心がムクムク育っていく。




そうだ、今日は不二と帰ろう。

いろいろ話そう。




そう思ったら、急に気分が軽くなってきた。

それまでウジウジ考えていた頭をスパッと切り替えて、大石の長い長い話に気持ちを持って行った。








「友達との間に『秘密』とか『言えないこと』があっちゃ駄目なのかな・・・。」




不二と2人だけの帰り道。

まだ暑い日々が続くけど、もう暦の上では秋。

日が暮れるのが格段に早くなった。

今日の休み時間、女子達の会話を聞いてちょっと不安に思っちゃったことなんか

正直に不二に話して・・・。

俺は不二の友達だから、なんでも相談に乗るから、味方だから、だから何でも話してよね?

俺たち友達でしょ?って続けるはずだった。

けど、不二から帰ってきた言葉は、俺の考えても見なかったことで。




「あ・・・・いや、そんなこと・・・無いと思うけど・・・・。」




俺は、たじろぐ形でようやく言葉が出てた。




「英二だって僕に言えないこととかあるでしょ?なんでも全部報告して、何でも全部共有する

だなんて、そんな自分のクローンみたいな存在、僕は欲しくないよ。」




それはそうだけど・・・そうだけどさ。




「でもさ、頼ってほしいんだ。俺、不二の力になってみたいんだ。」





これが本心。

別に、芸能記者よろしく根掘り葉掘り不二のプライベートなことを知りたい訳じゃない。

でも女の子達の会話を聞いてて、悩みを打ち明けてもらえるってことは頼りにされて

いるってことで、俺は不二から悩みとか相談事とか受けたこと無いのって頼りにされて

いなかったってことなのかなって。

不二は俺にとって自慢の親友だけど。

不二にとって俺はそうじゃなかったんだって気が付くのが嫌で。




だから。




必死って感じで不二に訴える俺に、不二は綺麗なその顔を一瞬くしゃっと崩して笑った。

笑ったはずなんだけど・・・その顔は、泣きそうにも見えた。

笑っているのに、泣いているように見えるだなんておかしいーの。

俺の目が変なのかな?




「頼ってるよ。ものすごく。英二が気が付いていないだけ。僕の英二への依存度はすごく大きいよ。」


「そーなの?」




半信半疑で聞き返す僕に、不二は笑う。




「でもさ、不二の好きな子のタイプすら知らない友人ってのもな〜。」


「なにそれ」


「じゃあさ、聞くけど不二の好きな女の子のタイプってどんなの?」


「好きな女の子?」





不二はきょとんとした顔をして俺を見た。

そして、肩を揺らして笑い出した。




え?なんか俺変なこと聞いた?




「ふ〜じぃ〜??何?なんか俺へんなこと聞いたぁ?」


「いや、ごめん。そんなんじゃなくて・・・その、なんていったらいいのかな・・・あはは。」


「あー、わかった。不二、今好きな子いるだろー。今、その子のこと思い浮かべちゃったん

じゃない??ねーねー教えてよ。俺絶対言わないからさ。ね、ね。」





不二は、笑いっぱなし。

なかなか口を割らない。





「別に俺、そんなことでからかったりしないよ?茶化したりしないし・・・俺、不二がどんな

子好きなのかすっごく興味あるんだよね〜。」


「そーなんだ。」




まるで人ごとのような相打ちの仕方。

どうにかうやむやにしようという意図が見えて、気分悪い。

不二は、駄目だ、嫌だ、となったらテコでも動かない。

やっぱ、自分から話してくれるようじゃないと駄目だよなぁ〜。




「・・・いいよ、わかったよ。別に言わなくても。でも」


「でも?」


「なんか言いたくなったら真っ先に俺に言って。不二が言いたくなったらでいいから。

そしたら俺、ちゃんと聞くから。」


「・・・うん・・・そうだね。・・・・わかった。・・・・言いたくなったら、聞いてね。」


「俺は不二の友達なんだから。不二の味方だから。大丈夫だから。」





大丈夫だから。

俺には不二がいるから大丈夫。

不二にも俺がいるから大丈夫。




僕らはライバル。

僕らは仲間で。

僕らは味方。




だから、何かあったら俺を思い出して。

俺が不二を思い出すように。

俺が不二になんでも頼ってしまうのは、きっと俺自身知っているから。

不二は俺の味方だってことに。


たとえば、俺に好きな子が出来たら真っ先に不二に相談するだろう。

振られたら慰めてもらうのもきっと不二。

どんなに格好悪い俺でも、ともだちでいてくれる。

不二も、俺と同じように思っていてくれてたら嬉しいけど。


そんな俺の気持ちを察してくれたのかどうだか分からないけど、不二は俺の隣で

まっすぐ前を見たまま「ありがとう」って小さい声で言ってくれた。

俺の顔を見ていってくれなかったけど、それはきっと不二が照れたからだと思う。





二人何もしゃべらず、ただ歩く。




あの公園の入り口が、いつも俺らが分かれてサヨナラを言う場所。


辺りはすでに暗くて、外灯の人工的な明かりが俺たちを包んでいる。

だいぶ古い外灯なんだろう。

時々「ジジジジッッッッ」と音を立ててついたり消えたりしている。





「僕ね」




サヨナラ、また明日!と言いかけた俺に、不二が小さい声で言った。



ドキッとした。




なんだか知らないけれど、不二の声がいつもと違っていた。

ついたり消えたりする不安定な外灯のせいで、不二の顔に微妙な陰を落としている。




「僕ね。好きな子がいるんだ。」




さっきあれだけ聞きたいと願った不二の恋の話がいざ本人の口から出てくると、どうして良いのか

分からなくなってしまった。でもつとめて冷静に俺は、なんでもないことを装って先を促した。




「そーなんだ」


「うん」


「どんな子?って聞いて良い?」


「・・・・・僕と、全く違うタイプの子。」


「かわいい?」





それまで、酷く緊張した面持ちだった不二だけど、俺のその一言に顔を崩して笑った。





「あはは。さー、どうかな」




不二に併せるように緊張していた俺も、不二の笑い声で緊張の糸がほぐれた。




「なんだよそれ。不二、その子のこと好きなんだろ?だったらそれって不二にとって可愛い子って

ことになるんじゃないの?」


「かわいいのかなぁ〜?・・・・・・でも、好きみたいなんだ。その子のこと。」


「そっか」




不二はそれ以上教えてはくれなくて。でも・・・・。、




「なんでも俺、協力するから言ってね」




そういったら不二は言った。




「・・・協力しなくて良いから。僕の友達でいてくれればいいから。」




軽く拒絶されて凹んだ。




「俺、不二の力になれないの?」




不二はすごく綺麗にわらって、その綺麗さが不自然な感じがして胸が苦しくなった。




「ともだちでいてくれることが、すごく力になってくれているってことになるから。

だから僕の言うことに傷ついたりしないで。ね?英二。」






俺、わからない。

不二の言っていることがわからない。


そして、いま不二が話してくれていることがとても不二にとって重要なことだと言うことも

俺の脳は察知していて。

ともだちでいてくれという不二の方が、その言葉とは裏腹にとても遠く感じて。

・・・遠いと言うより、なにか俺と不二の間に靄(もや)みたいなものがかかっていて

相手を見づらくしている。



いつからこの靄は俺たちの間に存在していたんだろう。



目をこらすのに、ゆがんでしまう。

見えているはずなのに、肝心なところが見えてない気がしてしょうがない。




「じゃ、バイバイ。また学校で。」


「あ・・うん。バイバイ」




不二が俺から離れていく。

俺も家に帰る。





俺と不二はクラスメートでともだちで。

俺は不二に頼りっぱなし。

不二は俺を友達だという。ともだちでいてくれることが力になってくれているという。


不二は友達の俺に『言えないこと』と『秘密』を持っている。


でも、僕らはともだち。


いつか・・・いつか、話してくれる日が来るのかな。

その時、俺は友達として、親友として、不二の力になろうと思った。




                                                        
 終





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規律を乱すヤツは許さん!!グランド20周!いや、30周だ!!な反省文(あとがき)



ここまで読んでくださってお疲れ様&ありがとうございました。

またもや3−6です。

今回は、菊ちゃん視点で書いてみました。

前回書いた「ZenithBlue」とおなじ力関係(笑)の二人です。

てか、続きみたいなもんです。

ここに出てくる不二は「ZenithBlue」設定の不二だと思って読んで頂けると、

あーあ・・・・魔王かーわーいーそーって気分を味わって頂けるかと(笑)

菊ちゃん視点で書いてはみたものの、これが酷く手こずりました。

不二視点で書いた方がサクサク書ける。

とちゅう、どれだけ不二にバトンタッチしてやろうかと思いましたよ。

ただ、一人称で書いた方が、私の中で話にシンクロしやすいというか・・・。

なので一つの話でいろんな角度からの進行は苦手だったり(笑)←要するに私がお馬鹿ちゃん

菊ちゃんも話の中でスッキリしないな〜と言ってましたが、本当にスッキリしない話ですみません。

ただ、あくまでも菊ちゃんは不二のことを大好きなお友達として。

不二は、友情にうっすら恋愛の産毛が生えたくらい(←なんか嫌な例え)な関係でプラトニック万歳なんですよ

なんだか二人の会話が女子かよっっって所は突っ込まないでください。

女子ってなんつーか、この年代の頃って徒党を組みたがるじゃないですか。

あたしもへなちょこなんで、楽なように属するタイプですが。(苦)

徒党を組むまで行かなくても、秘密を共有したがるっていうか、

すべてにおいて同じvvってのが仲良い証vみたいな勘違いがあるというか。

結局は、自分の知らないことが許せないというか、お互いをさらけ出して

把握することで安心したいって気持ちが作用しているだけなんだと思うんですが。

実際、人に話せる悩みや秘密ってその程度・・・ってところもあるような気が。

本当に、本当に・・・・・って秘密とかって言えないッスよ。

悩みを相談している段階で、実は本人答えが出てて、ただ人にソレを後押しして欲しいとか

反対に、認めたくなくて否定して欲しいとか、なんらかの思惑があっての相談だったりするのが大半だと思う。

まあ、その後押し・・・とかってのがまた大事だったりするんですが。

結局は、ジャッジするのは本人ですけどね。

だいたい中学生といえば思春期まっただ中。

一番難しいお年頃。

そう、ふつーの中学生ならば!!!!ね、魔王!あんたも中学生だったよね!?
(おなじことを手塚あたりにも問いただしたい)

ってことで・・・・がんばってみたんですが、わかりづらいなぁ〜。

伝わりづらいな〜ガックシです。

タイトル『HazeBlue(ヘイズブルー)』は、「薄い靄(もや)の色」 のこと指すそうです。

青学ゆえに、今後とも3−6創作はタイトルを「ブルー」で統一していこうかと。

さて、ネタがいつまでもつことやら。

てか、その前に、そんなにいっぱい書くつもりですか!?自分!!

まったく私が書く3−6は、3−6らしくないのはわかっているんですが

どうも、この2人を書くのが楽しくて。

ちょこちょこくるくる動いてくれるのが・・・・・。(照)

ええ、ピュアな気持ちで(BLの時点でピュアじゃありませんよ!)揺れ動く(泣笑)魔王を書きたい
ものです。←変態


次回は、もっとこう・・・・可愛らしくじゃれ合う3−6を・・・・←だから変態ぽいですってば!!


04. 9. 21  UP 
(あ、母の誕生日だ・・・こんな日にこんなものをUPしてごめんなさい。お母さん・・・)



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