□ ZenithBlue □ 君と僕はクラスメートで。 君と僕は友達で。 君と僕は親友で。 君と僕はライバルで。 いくつもの単語で表せる僕と君の関係。 君といると、時々息苦しく感じるときがある。 何か言いたいのに言葉が見つからなくて、何か伝えたいのに伝えたい何かが見えなくて。 もしかしたら伝えたくないのかもしれない。 知られたくないのかも知れない。 いったい何をしたいのかすら分からない不甲斐ない自分。 うっすらとしていたモヤモヤが、少しずつ自分の中で成長している不安。 未熟なくせに強がりでプライドばかり高い僕は、弱さを隠すために笑っている。 「ふ〜じっ!! ねぇ、不二ってば!」 昼休み、誰もいない屋上で寝ている僕を英二が揺すり起こす。 実際は寝ていたわけではなくて、ただ目を閉じていただけ。 閉じていなければ、空の青さに押しつぶされそうな感じがしたから。 「なんだよぉー、人に飲み物買いに行かせておいて!自分は優雅に昼寝だもんな〜。」 そう言って当たり前のように僕の隣に座った。 「ホイ!どっちにする?」 差し出されたのは紙パックの牛乳と、これまた紙パックのフルーツ牛乳。 僕は選ぶ振りをして、牛乳の方を手にした。 英二がフルーツ牛乳の方を飲みたがっているだろうって思ったから。 英二はちょっと意味ありげに口を一瞬ゆがめて僕にフルーツ牛乳の方を手渡した。 「俺のおごりだから遠慮しなくていいって。俺ちゃんと知ってんだかんな、不二がこっち好きだってこと。」 普通の牛乳の紙パックに比べると仰々しいくらいに派手に感じるフルーツ牛乳の紙パッケージを英二は 僕に押しつけてきた。 ビックリした。 僕が辛いものを好きなことは皆知ってるけど、同じくらい甘いものが好きだってことをちゃんと知っていて くれていたんだって。 どうも、辛い物好き=甘いものが苦手と人は思うみたいだし。 またそれをわざわざ否定して歩くのも面倒だし。 「じゃあ、お言葉に甘えていただくよ。」 「んー!」 二人、あっという間に飲み干して、くわえたストローからズズズズズーと耳障りな音を立てて。 またそれが二人同時だったから、英二が「俺ら同着じゃん。」と肩を揺らして笑った。 僕も併せて笑ってみた。 「ねえ、不二・・・。最近なんかあった?」 英二は僕の背中に自分の背中を合わせて寄りかかってくる。 甘える仕草のようでいて、実は自分の体重をかけることで僕に圧力をかけてきているようにもとれる。 「別に何もないよ?なんで?」 本当に何もないんだ。特別のことなんて。 何か・・・なんてうっすら分かるか分からない程度の認識で・・、でも確かに僕の胸にモヤモヤした 存在があるのは確かだ。 それを無難に伝える言葉も知らない僕は、何も無いと言うしかない。 そもそも、口に出していいものかどうかの判断すらつかない。 けど日々重力を増す今はまだうっすらとした感情に怯えているだなんて、子供じみた不安を他人に 知られるのは我慢できない。 それがたとえ自分の中の『親友』カテゴリーに属しているであろう英二でも。 いや、今はまだ・・・・・親友だから、親友だからこそ、この弱みを見せたくないんだ。 あまり僕の中を探って欲しくないなぁ〜なんて思いながら英二を見た。 彼は何も考えていないようで意外に鋭い。 印象的な大きな瞳に、どんな風に僕が写っているのか気になったけど知らないふりを通した。 背中を通して、英二の声が僕の中に響く。 「んー、なんでかなぁ〜。なんかそんな感じがするだけ。どこが?とか、なんで?って聞かれると イマイチ俺にもわかんないんだけど。最近の不二、時々どんよ〜りしてる。」 「なにそれ」 軽く流して、微笑んで。 これ以上探らないでよ。 入ってこないでよ。 悟られないように笑うのに、やっぱり彼は鋭かった。 「・・・・・それ、感じ悪い、よ。不二ぃぃ。」 意識して薄い壁を作った僕にググググっっと背中にかかる英二の体重が増える。 「親友の俺が心配してるの!聞いてんの!真面目に答えろよーーおらおらおらーーーー」 茶化した口調で、でも逃げは許さないぞと僕の背中に全体重を乗っけてくる。 「だーかーらー何もないってば!重いって、英二っっ。」 よいしょと僕の背中に乗っかかってくる英二の背中を交わして、英二のそばから少し離れる。 英二は、体重を預けていた僕の背中の支えを無くして 「うわーっっっっ!」 ゴチン! 後頭部をコンクリートにぶつける派手な音。 これは相当痛いだろうなぁ・・・。 仰向けに寝っ転がる形のまま薄く涙を浮かべて痛がる英二。 「痛いよ不二!!急に退くなんてずるいぞ!!」 ・・・僕が悪いの?でも、ここはやっぱり僕が悪いってことになるんだろうなぁ〜。 寝転がったままの英二を上からのぞきこむ。 仰々しく一つ息を吐いて形ばかりの謝罪。 「ごめんごめん」 「心こもってないってば。不二の謝り方って。」 「うん、だって本当に悪いと思ってないもん。」 「・・・・・・やっぱ、不二って・・・」 そこまで言って言葉を止めた英二は、何かに気が付いたように目を大きく見開いて真上を見つめた。 「すごいよすごい!!ねえ不二見て見て!!」 「え?」 英二は寝転がったまま、真上を指さした。 「空!!」 「空がどうしたって?」 英二が何に驚いているのか分からなくて、ただ彼の指さす先を見る。 英二は呟いた。 「すっごい、空が青い。」 「・・・うん・・・青いね。」 英二の指さした先には青い青い空。 そこには雲一つ無くて。 青しか無くて。 青という一言で表して良いのか分からないくらいの見事な色で。 それは英二がここに来る前に、僕が潰されそうな不安を感じて目をつぶり逃げていた青で。 なんか圧迫感のある青だよね、と英二に話しかけようとしたとき彼は僕にこういった。 「すごいねー、すっっごーーく、高く遠ーく感じるーーー。今日の空の色。羽があったら飛んでみたいにゃ〜。」 「・・・いいよね。英二はのんきでさ」 僕が感じたマイナスのイメージとはまるで反対。 そうだよ、これが普通なんだ。 雲一つ無い空を見て潰されそうだ・・・なんて感じる僕の感覚の方がおかしい。 「なんかさー、空とか、宇宙とか、海とか、そういうおっきいもののことを考えてると、自分の悩みとか 自分のこととかすっごくちっぽけに感じない?なんか俺すっげー小さいことでウジウジしてんなーとか。 不二もさ、悩みとかある時、でっかいもののことを考えて自分がちっぽけだってことを笑ってみたら? 楽になれるって。」 英二を見てると、ポジティブで屈託のない明るさに救われるときと・・・ 「なんか英二って無敵だよね」 根拠のない無敵さにイラつくときがある。 「ちっぽけな自分を笑い飛ばせる強さは僕にはないなぁ〜」 「まーたまた、ご冗談を。天才不二周助のくせに♪」 「あはは。うん、僕、天才なんだけどね。」 茶化した英二にこちらも不真面目に応答。 二人でもう一度空を見上げる。 僕らの視界を遮るものなんて無くて。 僕らの見つめるものは同じ雲一つ無い完璧な空で。 目をこらせば本当の天頂の青すら見えそうで。 英二の心はこの空を飛べるのだろうけど。 「・・・・やっぱり僕には重いや・・・」 僕の独り言と一緒に昼休み終了の予鈴が鳴った。 「え?なんか言ったぁ〜?」 目を細めて視界に入る青から意識的に逃げた僕のつぶやきは、予鈴にかき消されて聞こえなかった みたいだった。 「さ、早く行かないと。午後の授業遅れちゃうよ!古典だったっけ?出席点呼、遅れないようにしなくっちゃね。」 「うえー、あの先生、五十音順で点呼取るからな〜、『き』から始まる俺の方が『ふ』から始まる不二より 不利なんだよなーー」 「ほら、走らないと!!」 「わかってるって!不二こそ行くよ!」 英二が僕の手首を強く引っ張った。 「さっき言ったのってね。」 「ん?」 「英二が好きだなぁって言ったんだ。」 精一杯笑って言ってみた。 たぶん、これが僕の中にある重たいものの正体だと思ったから。 青の重さと相まって苦しかったから、すこし身体の外に吐き出したかった。 言葉にしてみたら案外軽い響きになってホッとした。 「何言ってんの?」 今更・・・と英二は笑い飛ばして 「そんなこと知ってるって。俺も不二大好きーだもんね。」 「うん。知ってる。だって僕、天才だから。」 にっこり笑って嘯いて。 「わかってんじゃん!ならいいじゃーん!」 英二はケラケラ笑いながら屋上から校舎への入り口の重く錆び付いた扉を開けた。 「わかってるさ。僕は。」 僕は君が好き 君は僕が好き だから僕らは・・・ともだちで。 最近、僕の『好き』だけ、ちょっと変わってきて。 うまくいえない、いっちゃいけないものが混ざってきて。 未熟なくせに強がりで、プライドばかり高い僕は笑う。 校舎に入る前にもう一度見上げた空は、さっきより少しだけ遠くに感じた。 終 |
規律を乱すヤツは許さん!!グランド20周!な反省文(あとがき) はい、テニプリです。 しかも3−6です。 ほのかにBLです。 まさか、この私がこの手のジャンル(ジャ■プ系)を書こうという気になる日が来るとは思わなかった。 だって3ー6可愛いんだもん。 二人並んだところ見るだけで、なんか「うひゃっっ」って気分になるんだもん。 なぜここんな症状に至ったかというとテニプリのミュージカルDVDを見たのと、 TVアニメで氷帝戦(魔王vsジローちゃん戦)が同時期で・・・ *新潟はアニプリ放送が首都圏より1年ちかく遅れてます。 しかも、新潟は正月スペシャルと称して氷帝戦(タカさんvs樺地、魔王vsジロー)一挙に放送しやがった ダブルで食らいました。(妄想の神様の往復ピンタ) アニメも好きだが(いろんな意味でありえなくて)、 それを実写版にしようと言うミュージカルも好きだ!!←病気拡大中 ミュージカルでは、3−6が 菊丸「ほら、不二いこ!」不二「うん!」 とか言っちゃうシーンに、なんだかキュンキュンしたり・・・(工房での深夜説教決定) 3−6が踊れば、照明はピンクやら青やらキラキラしちゃってくるし ・・・くるくる可愛く踊ってるし・・・。 不動峰戦のミュージカルでは、神尾君の歌の際、曲にあわせて二人仲良く踊っていると、 海堂とかにしかられて(先輩なのに・・・) シュンとしちゃう3−6に、メロメロになったり・・・・。 とにかく、3−6好きなんですぅ〜。 でも、ごっついホモにはしたくないんですぅ〜←? あくまでもプラトニックで居て欲しいんです!!! 本当は、こんなBL話じゃなくて、本当に純粋に「お友達vな僕ら」な話を書こうと思っていたんです。 けれど、テニプリ最新刊(今現在25巻:基本的に私はコミックスで一気読み派です)で不二が 「僕も本気になれるのかな」 とか、試合中 (しかも王者;立海大付属の切原とラリー中) ほざいているのを見て・・・ あんだと?あ〜ん?中学生の分際で、 『本気になれるかな?』 とか言ってんじゃねーぞオラっっ! お前の悩みのレベルは、そんなにハイレベルなのか!? この男、底がない・・・・・・。 (友人SABUさんのコメントより抜粋) 不二なんて・・・不二なんて・・・・ 可愛い菊ちゃんに振り回されて 悩んでハゲてしまえーーーーーーーー!!!←え? ってことで、悩む魔王様がみたいと創作してみました。 故に、不二様片思いのお話にしてみました。 (え?僕って英二のこと好きなの?いや好きだけどさ、いや、でも違うよって何が違うんだよっっっていうのを悶々と 考えて居るんだが、決して顔に出さない魔王さま、だって天才だもーんって言うのが書きたかったんだよ・・・) ・・・いや、学校の屋上で仲良くゴロゴロしている3−6が書きたかっただけ という話も無きにしもあらず。(やっぱりな・・・) 前振り長すぎで申し訳ないのですが、駄文のいいわけを。 不二がフルーツ牛乳好きは、私の妄想です。(似合わなくていいなぁ〜と思って) 不二の辛い物好き(味覚音痴)は有名ですが、お姉ちゃんがパイとか焼いているとかいう のもあったし、甘いのもいける口なのではなかろうかと。 原作中にそういう明記はなかったけど。 あと、「出席点呼〜」のくだりですが、 ええ、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、アニプリイラスト集??「スマッシュ」だっけ?の 本についていたドラマCDの中での「3−6」の会話から引っ張ってきました。 ふたりのクラスメート的な会話が 「おや、可愛いじゃないか」とか思っちゃったので(笑) タイトルの「ZenithBlue(ゼニスブルー)」は『天頂の空の色』を表すそうです。 空(天)の一番上の色かぁ〜 ・・・たまによく晴れた日に、空を見上げると、飲み込まれそうな青空で、 ずっと見ていると遠いのか近いのかわかんなくなって、 目をこらせばこらすほど不思議な感覚になる時ってないですか? きっとそんな時、ゼニスブルーが見えているのかも知れません。 そんな空を3−6二人に見てもらいました。 ・・・うちの3−6の、あまりの偽物ぶりに、苦情など、 グイッと飲み込んで自己浄化してくださるとありがたいです。 今回いろんな意味で敗北感を味わったテニプリ妄想ですが (不二・菊丸、偽物の確率100%!!) 一番悔やまれるのが、 菊ちゃんの「〜にゃぁ〜」とか「残念無念また来週☆」とかの いまどきの子とは思えない素敵語録を 使いこなせなかったことです!←もっと違うところを反省しようよ 次回があるか無いかは、皆さんの反応次第と言うことで・・・・。 やさしい言葉・・・待ってます。(笑) 玉砕し、うちひしがれた私を慰めてっっっ 04. 9. 10 UP |